サブスクごはんに使われている食品添加物
国(厚生労働省)が安全性を確保した食品添加物だけが使用を許可されているとはいえ、食生活はひとそれぞれ。自分の食べているものにどんな添加物が使われているのか、知っておくことは大事です。
このサイトで紹介した商品で使われていた食品添加物とその用途、安全性などを書き出してみます。
1.着色料
美味しそうな色をしている方が、より美味しく感じるというのは、間違いなくありますよね?着色料は、食品を美味しそうに見せるための添加物です。
カラメル色素
糖類を熱処理して作られる天然の添加物で、調味料・お菓子・ジュース・たれ・ソースなど多くの食品に使われています。
カラメル色素には、I、II、III、IVの4種類ありますが、アンモニア化合物を加えて製造されるカラメル色素IIIとカラメル色素IVは、製造過程で、発がん性のある化学物質が生成されると言われています。そのため、日本を含め各国で使用量を決めて使用されています。
「着色料(カラメル)」や「カラメル色素」と一括表示されるので、残念ながら消費者は、どのカラメル色素が使われているのか知ることはできません。
紅麹
紅麹は麹菌の一種。これを培養してエタノールなどの溶剤で抽出した赤色の天然色素で、水産練り製品やハム・ソーセージ、菓子、冷菓などにも使用されています。
海外では、紅麹菌が生成する「シトリニン」というカビ毒が原因とされるサプリメントの健康被害報告があり、カビ毒基準値が設けられている国もあります。ただ、これはカビ毒の基準値であって麹菌の使用量ではありません。紅麹自体は安全性が高いとされていますので、お間違えなく。
また、紅麹自体には、肝不全、腎不全、横紋筋融解症などの副作用や、胎児の骨格の催奇形性の可能性が報告されている「ロバスタチン」が含まれます。ただし、色素成分に含まれているわけではありません。
カロテノイド
果物や野菜などに含まれる天然の色素成分です。カロテン類とキサントフィル類に分けられ、強い抗酸化作用を持ちます。
アナトー色素、カロテン類色素、クチナシ黄色素、サフラン色素、トウガラシ色素、トマト色素、ヘマトコッカス藻色素、マリーゴールド色素などさまざまな種類があります。
毒性は少ない添加物ですが、水に溶けず身体に蓄積しやすいので、摂りすぎには注意が必要です。
2.甘味料
食品に甘味をつけるために使われる添加物ですが、苦味や辛味を緩和するために使うこともあります。
ソルビット
じゃがいもやとうもろこしのでん粉を加水分解したブドウ糖を還元して得られる糖アルコール。低カロリーの甘味料です。糖度を上げて食品を傷みにくくする目的でも使われます。
発がん性などの毒性も確認されておらず、安全性は高いと言われています。
ただし、糖尿病の人には要注意です。砂糖に比べ血糖値は上がりにくいのですが、細胞中に溜まりやすい性質があり合併症を引き起こす危険性があります。
保存料に使われる「ソルビン酸」と間違われることがありますが別のものです。
ステビア
キク科の植物「甘草」から作る天然の甘味料です。砂糖の約200倍も甘く、使用量が少なくて済むので、摂取するカロリーも抑えられます。また、糖質が含まれていないので血糖値も上げません。
菓子類やジュース、アイスクリームなどに使われるほか、醤油などの調味料にも使用されます。
毒性や発がん性がないことが明らかになっており、以前は承認されていなかったアメリカでも、現在は安全性が認められ、使用が許可されています。
トレハロース
じゃがいもやとうもろこしのでんぷん作る、砂糖の45%のやわらかな甘みの甘味料です。
甘いだけではなく、保水性が高いため、もちやごはん、パンなどのでんぷんを含む食品のやわらかさを持続させます。
その他、味や香りを引き立てる効果や、タンパク質の変性・脂質の分解を防ぐ効果もあるので、品質保持のための保存料として使用されることも多い食品添加物です。
和菓子や洋菓子、パンやレトルト食品、冷凍食品など幅広い加工食品に使用されています。
3.保存料
ヒトの健康に影響のない量で、食品中の細菌等の増殖を抑制することのできるもののみが使用を許可されています。1日摂取許容量が決められているものもあります。
ソルビン酸
抗菌性の保存料で、魚肉練り製品やソーセージ、お弁当や加工品全般に使われます。また、ソルビン酸カリウム塩は、ケチャップ・スープ・乳酸菌飲料などに使用されます。
細菌やカビの細胞膜を通り抜け、細胞内のpHを低下させることで抗菌作用を発揮します。そのため、人の健康に直接影響がないとはいえ、腸内細菌に影響を与え、善玉菌を減らすという研究結果もあります。
一日摂取許容量は、ソルビン酸として0~25mg/kg体重/日とされています。
体重50kgの人の一日摂取許容量は25mg×50=1,250mg。ハムをどのくらい食べるとこの数値を超えるか計算してみました。
ハムに入っているソルビン酸量は、グラムあたり2.0mgが上限。ハムを625g食べてはじめてソルビン酸1,250mgをとったことになるということがわかりました。
安息香酸、安息香酸ナトリウム
食品の腐敗を防ぎ、カビや細菌が増殖するのを防ぐための保存料として、キャビア、マーガリン、清涼飲料水、シロップ、醤油、菓子の製造に用いる果実ペーストなど多くの食品に使われている添加物です。
海外では家畜の飼料に添加されており、食肉を通して摂取する分もありますが、それを合わせても人の健康への影響は僅かとされており、一日摂取許容量は設定されていません。
ただし、安息香酸をアスコルビン酸(酸味料、酸化防止剤)と一緒に摂ると、発がん性物質であるベンゼンが生成されることがあります。過去には国内でも、清涼飲料水から水道水のベンゼンの基準値10ppbを超えるベンゼンが検出され、自主回収された例があり、危険視する声もあります。
4.pH調整剤
食品の酸性またはアルカリ性の度合を調整し、適切なpH領域に保つために使う食品添加物です。微生物の増殖は、pHにより影響を受けることから、食品のpHを調整することにより、結果的に食品の保存性を高めますが、
合成保存料ではないため、「合成保存料不使用」と表示することができます。
ジャム、おにぎり、サンドウィッチ、ゆでうどん、かまぼこ、デニッシュパン、乳製品など腐敗が心配されるさまざまな食品に使用されています。
pH調整剤には、クエン酸、グルコン酸、リン酸、リン酸塩、コハク酸、酒石酸などを含む、34種類の化合物が指定されています。
人の健康を損なう恐れはないとされていますが、リン酸塩は過剰に摂取するとカルシウムなどミネラルの吸収が阻害されたり、腎臓機能が低下するという報告があります。また、クエン酸は大量に摂取すると下痢や腹痛などの症状を引き起こすことがあります。
一括表示で「pH調整剤」とされるため、実際にどのpH調整剤が使われているか、残念ながら消費者には確認できません。
グリシン
体内で合成できる非必須アミノ酸の一種ですが、食品添加物として使われるのは化学的に合成されたものです。
アミノ酸ですが「旨味」を出すよりも、PH調整や制菌の目的で使われます。
合成保存料には分類されていないので、グリシンの保存効果を使うことで、「合成保存料不使用」と表示することができるため重宝され、多く使われています。
毒性はほとんどなく、それ自体が問題となることはありませんが、実際よりも塩味を感じにくくする効果があるため、グリシンが使われていることで知らず知らず塩分を過剰にとってしまう危険があるという指摘もあります。
5.増粘剤、安定剤、ゲル化剤、糊料、乳化剤
加工デンプン
トウモロコシや小麦、豆、ジャガイモなどの天然デンプンに、化学薬品などを加えて作る添加物です。
増粘剤や安定剤、ゲル化剤などの用途で、菓子類、やドレッシング、冷凍麺類、ホットケーキミックス、ジャムなどに使用されています。
種類が12もあり、そのうちの2種類(ヒドロキシプロピルデンプン・ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン)は、欧州では、発がん性があるとして幼児向けの食品への使用が禁止されていますが、日本では、「安全であり一日摂取許容量を特定する必要はない」とされています。
表示義務としては、一括表示で「加工デンプン」と書けば良く、残念ながら、どれが使用されているか消費者は確認できません。
リン酸塩
pH調整剤としても使われるリン酸塩は、変色や乾燥などを防止し風味を向上させる目的や、結着剤、乳化剤としても使われ用途が多い添加物なので、非常に多くの加工食品などに含まれます。
ハムやソーセージ、インスタントラーメン、ツナ缶や炭酸飲料など、加工食品にはほとんど使われているため、知らず知らずに過剰摂取している可能性が高い添加物です。
過剰摂取していた場合、ミネラルの吸収阻害や腎臓機能低下の報告、また、免疫力低下、精神異常等を懸念する声もあります。
アルギン酸ナトリウム
海藻から得られた天然由来の水溶性食物繊維で、増粘剤、ゲル化剤、安定剤、糊料として利用されています。
食品にとろみを追加することができ、ゼリーやアイスクリームなどに添加されます。洋菓子のフルーツなどに照りを出すための上掛け(ナパージュ)にも使われます。
体内において吸収される割合は小さく、毒性も低く、安全性が高いとされ、使用限度量も設定されていません。